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フレンのターン
実をいうと最初フレンってとっつきにくかったのですよ。
どこが?と言われても何となくとしか言えないのですが…
エイプリルフール企画のちょこっと前にどこだったか忘れましたが<殴!
とても素敵なフレンサイト様があったのですよ。
なるほど。
フレンはこう書くのねと・・・はまりにはまったあとのエイプリルフール企画。
時は流れてまたまた迷走してます・・・

子ども扱いしてんじゃねぇよ
歯痒い想い(R18)
誰だよ、あの人
何時の間にこんなに
もし、もっと早く生まれていたら
俺の知らない、アイツ
年下のくせに、何であんなに
空回りして馬鹿みたいだ
余裕、綽々。

恋に年の差なんて







フレン・シーフォには憧れの人物が二人いた。
一人は騎士の鑑とさえ言われたアレクセイ・ディノイア。
既に故人として処理されているが、その実態は決して誉められた人物ではなかった。
そしてもう一人は僕の一歩斜め後ろをついて歩く人物。
シュヴァーン・オルトレイン。
彼は今ではレイヴンと城内でも名乗り未熟な団長としての僕を支えてくれるように仕事を教えてくれている。

「じゃあ、今日はここでお終いにしましょうか」

さっきまで低く落ち着いた声で書類の内容を判りやすいように説明していた声はがらりと変わり、今は陽気な明るい声でお疲れさんと笑っている。
「はい。ありがとうございました」
「フレンちゃんみたいな教えがいのある子だとおっさんも楽できていいわ」
鎧を纏ってない隊服の上から疲れたと肩を解す姿に僕も自然に笑みが浮ぶ。
「この後のご予定は?」
「そうねぇ。何所かに飲みに行って寝るぐらいかしら」
うーんと顎に手を当てて言うも本当は城に用意されているシュヴァーン隊長の部屋で僕が片付けれなかった書類を片付けることを知っているが
「ではご一緒してもよろしいですか?」
「フレンちゃんと?いやよー。フレンちゃんが一緒だと女の子みんなフレンちゃんに取られちゃうもの」
いじけたように喚くレイヴンさんにホントはそれが目的なのにと言う事を心の中で呟きながら、先代の団長が置いて行った立派なサイドボードから一本のボトルを取り出す。
「貰い物でよければご一緒しませんか?」
「おや、早速ワイロに貰ったの?」
「ソディアから団長就任のお祝いにもらった物なので大丈夫でしょう」
「何か恨み買いそうで逆に怖いわ」

言いながら酒杯を並べ、食堂で用意してもらっておいたつまみを出せば、元々お酒が好きな人だ。
少し悩んだあとじゃあ、折角だし頂こうかねと言ってソファーの腰を下ろした。

騎士団の話からギルドの話。まだ行った事のない土地の話や、その土地独自に発達したモンスターの話しから始まり、お互いの子供時代や見習いの時の話とかあっという間に夜は更けて行った。
ボトルも一本二本と増えるにつれて、程よく酔いの回ったレイヴンさんは僕の話しを聞きながらいつの間にか眠ってしまっていた。
そう言えば前に酒が好きなのにあまり強くないという事を聞いた覚えがあったが、まさか三本目を開けている合い間に眠ってしまうとはさすがに思わなかった。

「しまったな・・・」

廊下に待機していたシュヴァーン隊の人には先に戻ってもらったから良かったものの、レイヴンさんが酔った状態で部屋に連れて行くのはやっぱりまずいだろう。ここぞとばかりシュヴァーン隊長に引退してもらいたいと思ってる貴族連中のネタを提供する必要は無いのだと少し考えた所で、となりにある寝室の扉を開けた。
華美に囚われないものの重厚で質のよいシンプルなベットを整える。
うとうとと頭を揺らしながら眠るレイヴンさんに声をかけるも反応がないのを確かめて、その体を慎重に抱き上げた。
カクンと首が反らされたものの、気にせず眠るレイヴンさんに安心し、ゆっくりと歩きながらベットへと向う。
予想外に軽い体。
浅黒い肌に上下する喉。
思わず目が奪われるも、なるべく見ないフリをしてベットへと横たえる。
真っ白なシーツに散った灰味を帯びた少し長めの髪に思わず手が伸びそうになり慌てて引っ込めた。
14歳も年上のこの方に今何をしようとしたと顔を真っ赤にさせながら誤魔化すように重さを感じさせない布団をかぶせるも、その静かな寝顔から目が離せなくて、近くにあった椅子を引き寄せて座り、いつまでもその穏やかな時間を見守るように見つめてしまう。
いつの間にこの方をこのような思いで見るようになってしまったのだろうと、少し罪悪感を覚えながらも一時でも同じ時間を共有したいと言う思いは強くなるばかりで、持て余す気持ちに少し苦笑した。

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