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やっとユリレイ風味が出てきたと思ってます。
たぶんユリレイ風味になっていると思います。
きっと・・・ユリレイになってるかなあ?
フレレイが面白かったので自信なさげです。
たぶんユリレイ風味になっていると思います。
きっと・・・ユリレイになってるかなあ?
フレレイが面白かったので自信なさげです。
レイン・レイン 04
あれから暫らくの間ザーフィアスを離れ一人仕事をひたすら請けていた。
なんとなくこんな俺を察してか言葉を濁す仲間に大丈夫だからと笑みを返せばおっさんの分際でと憤慨する女性達に相手がフレンだからなと言えば全員が目配せして困りきったように溜息さえ零せないで居た。
旅の途中で知り合ったフレンのシュヴァーンへの傾倒は周知も認める所で、おっさんもフレンへの扱いが今になって思い出せばどことなく丁寧だったかと思う。
なるべくしてなった二人だと、既に始まった交際に今更外部が文句を言うのもおかしな話だ。
あの時逃げ出さずに連れ出していれば何か変わったかと思うも、思い出すのは二人の重なる影ばかり。
そんな記憶を払拭しようと今日も依頼された洞窟の奥に住まう魔物退治に出かければ見慣れた姿がそこにあった。
俺には気づいていないようで足場の悪い岩場を身軽に渡り歩いていく後ろ姿に「おっさん!」と声をかけたのは単なる挨拶程度だと割り切る事にする。
呼ばれて気付いたのか一際高い岩の上から周囲をぐるりと見回して振り向いた翡翠がニヤリと笑い、またヒョイヒョイと言うように岩の上を飛び越えながら俺の元へと辿り着いた。
「あら~久しぶりじゃないの青年」
元気してた?と紫色の羽織を纏い、意外にもさらさらな髪をどんな技術を用いてかぼさぼさにしてみせる結わえた何時ものレイヴンの姿に思わず口角が上がる。
「おっさんも城じゃないんだな」
一瞬フレンの顔を思い出すもそれを振り払って珍しいという。
「ほら、おっさんやれば出来る子だからね。この間まで城にいたんだけど、ユニオンからの調査の依頼にここに居るわけよ」
忙しいんだからとまだ良く知らない頃なら嘘くさと一言で切り捨てたのだが、実際やれば出来る子なので彼を知ってしまった以上大変だなと労うしかない。
だが
「ここの調査の依頼ってひょっとしてこの先の洞窟の魔物退治か?」
聞けば少し眉間を寄せて
「ひょっとして青年も?」
コクンと頷いて二人して今度こそ溜息。
たぶんだが、余程この先の洞窟の魔物を恐れてかいくつも以来を出してしまい、見事ブッキングしたと言う所だろう。
「でなきゃユニオンからこんな魔物退治なんて仕事くるわけないよな」
がくんと項垂れたその頭をぽふぽふと叩きながら
「折角なんだからちゃっちゃと済ませて依頼料貰って注意に行こうぜ」
促せばそれもそうねと久しく連れ立って歩く気配に後ろめたさを感じながらも足取りが軽くなっていた。
魔物は拍子抜けするほど弱かった。
見た目が大きくちょっと不気味で、タコやイカの様に軟体動物なのがあれなだけで、いたって強力な魔物ではなかった。
強いて言うなら余りお目にかかりたくないと言う視覚的なダメージが強いだけで、退治はあっけなく終わった。
二人そろって魔物の足の一部を切り取って依頼者である村の村長に見せて依頼金を受け取って任務終了。
次に何の厄介な話しを任されるかと思う前にさっさと退散した。
「所でせいねぇーん」
何処か甘えた声になんだ?と思うも
「次の仕事入ってる?」
何処か体を撓らせるそんな仕種に嫌な予感はするものの
「いや?次の仕事引き受けるまで体はあいているけど・・・」
言えばがしっと両手で俺の手を捕まえる。
何処か潤む視線で見つめられ、ちょっとだけドキドキしながらなんだよとぶっきら棒に聞けば
「この先にちょっとした小さな町があるのよ。久振りに会ったんだもの。ちょっと飲んでいこうよう」
うふふと笑うおっさんに思わず頭痛。
「城とユニオンの仕事は?」
聞くも
「帰ったらいくらでもするわよ。その前にちょっと破目を外すだけじゃないの」
身包みはがされない程度にたまには飲みたいじゃないと言う主張に溜息と笑みを混ぜてはいはいと承諾するまでたぶんおっさんはこの手を離さないのだろう。
「仕方ねーおっさんだなあ。フレンとハリーに文句言われても俺はしらねえぞ?」
言えばやったあと無邪気に喜びとんぼ返りを披露してくれた。
「なら善は急げってね」
また手を握ったかと思えばこっちだと言うように森を突き抜けるように案内してくれた。
こんな森の中を通っても大丈夫なのかと心配したもののさすが鴉と言った所だろう。迷う事無く森を抜けたかと思えば初めて訪れる町が目の前に広がっていた。
町の中央に動力を失った結界魔道器を象徴のように広がる町は健康的に活気づいている。
レイヴンはユニオンの仕事の完了を伝えてくるからと一軒の家の前で待たせ数分もしないうちに家から出てきた。
「で、ここ何処だよ?」
そう言えば町の名前も知らなかったと言えば俺を魔道器のある入口から少し入った所へと向えばそこには無数の水路が縦横無尽に走っていた。
「水の都セヴェネーゼ。今まで行った事有るような町とは違うでしょ?」
「ああ、初めてだ」
石で確りと水路を作り、澄み切った水路に人々は小さな船に乗って縦横無尽に通っていく。
あちこちにかかるアーチ型の橋をしゃがんでくぐり、水路に面した家からは子供達が足を出して釣りをしていた。
かと思えば飛び込んで遊んでいる。
平和なんだなと感心すれば、かつてユニオンで働いていた男が妻と子供の為に築き上げた町だと教えてくれた。既に老いてその男はもう居ないが、最初は小さな町でオルニオンのようにどんどん発展して行った姿だと言う。
ダングレストのように混沌が似合う町とは違い、どれだけ妻と子供を愛したかがわかる街並みを散策するように歩きながら一軒の店へと案内された。
いらっしゃいと言う女将に部屋へと案内されれば窓越しに水路から水を引き入れた中庭の代わりに池を望む部屋へと通された。
作りは華やかでは無い物の何処か豪華で、寝室とは別になっていた。
「いいとこだな」
「ここの外は船も通らないからね、静かなのよ」
幾つか注文し、早速運ばれた酒に口をつけて満足気に息を吐く男に
「こう言う所で雲隠れしてるのな?」
「帝国の管轄外よ?こう言う所で羽を伸ばさなくちゃね」
おやおやと思いながらつい言ってしまう。
「フレンが居るのにそんな事言っていいのか?」
きゅっと狭まった眉間に失態を犯した事を知った。
「わりぃ、からかいたくって言ったわけじゃないんだ」
呼吸をおかずに謝罪して、注がれた酒に手を伸ばす。
暫らくの沈黙の後そう言えばとレイヴンが話しを繋いで
「青年見てたわねぇ」
苦笑交じりに手酌で酒をついで煽る姿に
「まあ、見たな」
素直に白状。
レイヴンは俯いて手の中で酒の入ったグラスを転がしながら
「ひょっとして青年怒ってる?」
「何で?」
と言えば、良い年してもじもじしながらだってぇと酒の表面を指でなぞりながら
「フレンって青年の親友じゃない。変な道に連れ込むなーとか思ってるんじゃないの?」
確かにそう言うべきなのだろうが
「おっさんは知らないだろうけど、おっさんと知り合う前からずーっとフレンから聞かされてきたんだ。俺から言わせればやっと想いが叶ってよかったな。って言うの?」
胸にツキンとした痛みを覚える物の、気付かないようにとレイヴンと同じ物を煽る。
「でも、ほらあの時、青年すごい顔して帰っちゃったじゃない。
おっさん・・・嫌われちゃったかと思ったわ」
視線を反らし、酒気の混ざる溜息と共に吐き出された言葉に気まずさを覚えた。
それから沈黙の中で無言のまま酒を酌み交わすうちに料理が出てきて、静かに食事を始めた。
料理は一品一品小皿を装い、季節溢れる食材の瑞々しさに思わず舌鼓を打つ。
腹が満たされれば次第に心も解れ、いつの間にか出された料理の意見を求めるべく言葉が交わされていた。
どれも一口ずつしかなく、こんなので腹が満たされるのかとさえ疑問があったが、最後のデザートを目の前にさすがに食いきれねえと思ったがやっぱりデザートは別腹で。
香ばしいお茶の香りが仄かに香るプリンのコクが有るのになめらかであっさりした食感に驚きは隠せないで入れば、くつくつと笑うレイヴンが例によって俺の前にデザートを進呈してくれた。
「食べるでしょ?」
「遠慮なく」
差し出されるまま食べて、食器の下げられた机には酒杯が並んでいるだけだった。
食事前の沈黙は成りを潜め、いつの間にか普段どおりに話しをしている事に気がついて驚いていた。
顔には出さなかった物の、目を細め楽しそうにジュディスやカロルの離しに耳を傾ける姿はふざけた道化ではなく穏やかな物。
今ならそんな顔もできるんだなあと正直戸惑っていれば、話しに答えるようにおっさんがダングレストでのカロルの様子を教えてくれる。
数多くのギルドを渡り歩いた少年はちょっとした有名人であったが、今では凛々の明星の首領として少しずつ認められ、彼を悪く言う者は居ないと言う。
「あの気の小さい所は相変らずなんだけどね、母性本能を擽ると言うか、いや、野郎に母性本能って有るの?まあいいわ。ハリーが弟でも面倒見るように構ったりしてるから天を射る矢とユニオンセットで可愛がられてるわよ」
手酌で酒を酌みながら移動して池の見える窓の所で床にぺたんと座る。
その場所だけ板張りで、小さな硝子の机もある所を見ると直に座ってもいい場所だと見習って腰を下ろし、レイヴンが窓を開ける。
水が流れる音が静かに室内に広がり、開かれた窓に驚いたように魚が跳ねる。
飛ばされた雫に波紋が広がれば、魚は池の底の方に隠れてしまったのに波紋が一つ二つと増えていく。
「雨か・・・」
「さっきまで天気良かったのにねぇ」
通り雨では無いと言うような静かな雨はしとしとと水面に交わり溶け合っていく。
やがて落ち着きを取り戻した魚がまた優雅に泳ぐ様を見ながらユーリは何時ものように語り掛ける。
「次ザーフィアスに来るのはいつだ?」
言って思わず口を閉ざした。
あまりこの話題には触れたくなかったと言うのにと考えているうちに、俺の気持ちは知らないと言うようにレイヴンは頭の中のシュケジュールを辿っている。
「そうね、この仕事も終わったしダングレストに報告して2~3仕事をさせられてからになるからもうちょっと先になるかしら?いや、ちょっと待てよ」
なかなか行けそうにないかもとなにやら頭を抱えだしたレイヴンに思わず呆れてしまう。
「あまりフレンを放っておくなよ」
騎士団での数少ない味方だ。まだまだシュヴァーンの助力が必要なのは明らかで、だけど目の前にいるレイヴンはどこか拗ねたようにいじけている。
「確かにフレンを放っておくのはまだまだ心配なんだけどね・・・」
板の木目に沿って指を滑らせて完全な失敗を悟った。
若者だからすぐに・・・とか、こう見えてもいい年した大人なのよ・・・とか。
フレン何やってるんだと思わず握り拳を作れば目の前で震えるように青ざめたおっさんが慌てて違うと言う。
「まだだから!おっさん達まだ清い関係だから!!」
暴力反対と言うように訴えるレイヴンに今度こそ項垂れた。
「いや、そう言う事に怒ってるわけじゃなくて」
違うんだと言うように池の見える窓の横に背中をあずけて座ればどっと疲れたような疲労感に思わず苦笑。
何を安心してるのかと思うも忘れられた酒杯を引き寄せて口の中を湿らせる。
「俺は単に、騎士団の仕事をサボって何いちゃついてるんだってフレンに向って文句が言いたいだけだよ」
なんて早とちりだと考えるよりも思わずもらしたおっさんの暴露に次第に笑みが零れ落ちる。
「いくらなんでも酷いんじゃないの青年」
不貞腐れたおっさんに悪いと思う反面
「だってよ、おっさん一筋だったあのフレンが今だにな・・・」
言ってクツクツ笑い出した俺の横に同じようにぺたんと座ったおっさんは一人手酌で酒杯に注ぎ、一気に煽る。
「しかたがないじゃない。フレンみたいなイイコがおっさんみたいなのにどうしようもないのにひっかかっちゃって。きっと後悔してるのよ」
「この場合は愛されてるって言う意味だよ」
既に顔も赤くふらふらとするおっさんの言葉が支離滅裂となってきた上に目も何処かうとうととしはじめて
「ほら、それよりもそろそろ寝るぞ」
「フレンの周りには可愛い女の子一杯なのになんで14も年上のおっさんがいいのか、おっさんには理解できないのよ」
だったらなんで付き合ってるんだと疑問は尽きないが
「きっとあれよ」
どれなんだよと心の中で言葉を返せば
「おっさんが悲しくってふらふらしてたから見捨てれなかっただけなのよ」
まぁフレンなら誰も見捨てないだろうけど
「悲しいって一体何が悲しいんだよ」
訊ねるもおっさんが悲しいと思う過去は山ほどありすぎてどれがどれだか想像もつかない。
有力候補としては片恋のキャナリとか言う人物だが、この思いにけじめをつけたおっさんはこの過去をもう悲しいと思う事は無いだろ。
とりあえず隣の部屋にあるベットまで運んで転がせば、ゴロリと転がったレイヴンが俺を見上げた。
服の裾を掴んで口を開けるも、何も言わずに静かに閉じる。
なんだと思うも、重たそうに閉じられた瞼は暫くしても開く事はなく、いつの間にか掴んでいた裾も知らない内に外していた。
なんだよ!
思わずキッパリと諦めたはずの何かがもやもやと沸き起こり、苛立ち紛れに自分の寝るベットの枕を投げつけてもピクリとしない男を睨みつけるも相手は既に夢の中の姿に頭を掻き毟り、そのままベットに倒れこんだ。
アホらし・・・
何を終わった事に一人もやもやとしているのかと自分に呆れてから、フレンとの痴話喧嘩以下の出来事に巻き込まれて腹を立てた。
フレンの奴何おっさんを不安にさせてんだと声の届かぬ相手に文句を言って仰向けに転がる。
そして首を傾ければ心地良さそうにおっさんは寝ていて
「おーい、そんなに無防備に寝てると襲うぞ」
十分に部屋に届き渡る声で言うも既に夢の住人となっている相手には届かない。
「おーい・・・」
もう一度呼びかけるも返事はただ静かな寝息だけ。
ちょっと残念な気持ちと、このままこの話しを続けていたらきっとまともじゃいられないだろうと考え直して何所かで安堵する。
親友の10年以上の片思いがやっと叶ったのだ。
応援すると告げた以上偽る事は出来ない。
ライトテーブルを挟んでレイヴンを見つめる。
滅多に見ない無防備な姿にフレンには悪いと思いつつもほんの少しだけ優越感に浸り、そしてやがて訪れる眠気に襲われるまで、規則正しく寝息を零すレイヴンを静かに見つめた。
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