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そんな4月1日のバカ企画


今回はフレ→レイにユリ→レイ成分も少し。
更にレイ→アレも臭ってたりとめんどくさい事になってます。
なのにR指定はまったく問題なしと言う無駄な設定・・・
フレユリレイの三角関係ににアレ様投入の美味しいお話何処かにないかしらと探してみたり<微笑




記憶にあるシュヴァーン隊長と改めて知り合ったレイヴンさんとのギャップに当初は戸惑いを隠せないで居た。
威厳と誠実を兼ね備えた憧れの騎士は、ストイックなまでに仕事にのめり込むあまりにこれと言った感情を垣間見た事はなかった。
その隊長がだ。
いま目の前でリタにファイアーボールを喰らって宙を舞っていた。
何でそんな事になっていたかと言うと、目の前を走り去って行った美女を悪漢から守ったまでは良かったのだが、そのまま悪漢同様口説こうとして制裁が入ったと言う所だった。
「大丈夫ですか?」
思わず駆け寄って手を差し出せば、この手を取ってレイヴンさんは体をゆっくりと起す。
「いてて、ありがとフレンちゃん」
「おーいフレン。あんまりおっさん甘やかすなよ」
「ユーリ!」
ユーリの言葉にだからと言って放っておくのかと言うも彼は知らん振りをする。
「それよりも宿取れたけど、部屋割り細かくなっちゃった」
凛々の明星のドンでもあるカロルがこの騒動の合い間に宿を取っていてくれた事を思い出す。
そんな一瞬の出来事だったが、みんな疲れた旅路にレイヴンさんの事は無視して宿屋へと向っていた。
酷いなと思うも、レイヴンさんはいつの間にか遠くに行ってしまった女性の後姿を追いかけるも何処か笑みを浮かべていた。
「どうしました?」
同じように女性を眺めていれば、暫くして友人だろうか幾人かの女性に囲まれていて、心配そうに声を掛けられていたが笑みを浮かべてなにやら言葉を返していた。
「大丈夫みたいだったね」
強引なまでの悪漢にナンパをされていた彼女の心の傷をおもってか、レイヴンさんの言葉はあなたはとても魅力ある女性で私のようなものでも足を止めさせる魅力に溢れているのです。と始まった口頭の文句を思い浮かべれば、それはこの短期間に彼女を立ち直らせ笑みまで浮かべるぐらいの勇気と自信をを与えていたのだ。
それに気づいた時は既にふらりと歩き出しみんなより一歩遅れて宿へと入るのを僕は慌てて追いかけた。
部屋割りは既に決まっていて、今日はレイヴンさんと同じ部屋だった。
カロルが男女別にくじを作って先にくじを引いていたユーリとカロルが同じ部屋だった為に自動的に僕とレイヴンさんが同じ部屋になったただそれだけ。
明日の朝までは各自自由と言う予定にレイヴンさんはどうします?と聞けば
「そうね。今日の移動はちょっと長かったからご飯食べたらさっさと寝るわ」
そういって早速食べに行くという言葉に食事をとるには時間的にはまだちょっと早かったけど僕もご一緒させてもらう事にした。
煮魚を中心に野菜やご飯と言ったバランスを考えて食べる食事に合わせて、僕も同じ物を戴く事にした。但し煮魚をビーフシチューに変えて。
そんな僕にレイヴンさんは若者はやっぱり肉系なのねえと、野菜もしっかり食べなさいとお小言を貰って思わず苦笑。
食後に何か酒類を嗜むかと思うもレイヴンさんはそのまま会計を済まし宿へと向う。
珍しい・・・と思うも、宿屋を目の前にその姿がふらりと傾いた。
思わず慌てて手をさし伸ばせば冷え切った体は異常なまでに汗をかいていて思わず大丈夫ですか?と声をかければ小さな苦しげな声で
「ベットに、運んでちょうだい・・・」
苦しげに蹲るレイヴンさんを抱え上げてバタバタと足音をたてて部屋へと潜り込む。
宿の主に頼んで布団を追加で借りるもそれでも寒いのかぶるぶると震えていた。
「体調が悪いなら話して頂ければ良かったのに」
口調が少しきついと思ったのはたぶん僕が怒っているからだと自己分析をする。
心臓の事も知ってるし、遠慮なんて必要ないはずなの仲だと思ってたのに、多分ずっと、この街に入る前から体調が悪かったにもかかわらず口にしないのは信用していないからだと思うも、苦しげな呼吸の合い間に「すまないなフレン」なんて、普段若者とか青年の親友としか僕を呼ばないレイヴンさんの不意打ちの攻撃に思わずその苛立ちを殺してしまう。
だから少し躊躇いはあるものの、手早く着馴れた鎧と隊服を脱ぐ。
「失礼します」
一言そう断わって同じベットにもぐりこめばレイヴンさんの顔が歪む。
「何も同じベットで寝なくても・・・」
と言い出した言葉は途中で途切れる。
たぶん僕が震える体を抱きしめたから・・・驚いたのだろう。
「まだこんなにも体が冷えている」
「一晩休めばなんて事ない」
「そんな無茶を・・・」
「いつもの事だ」
口調はやがてレイヴンさんからシュヴァーン隊長のものへと変わる。
レイヴンさんがシュヴァーン隊長と知ってから日は浅いとは言え、実際問題今まで彼と会話をする回数はシュヴァーン隊長のほうが圧倒的に多かったのだ。
自然に自然と馴染んだ物へと変わる事さえ今のレイヴンさんには気づいていないらしい。
尤も、僕の方も慣れたシュヴァーン隊長の方が嬉しかったりするのだが・・・今はそんな事を言ってられない。
背中に回した手で温めるように擦りながら
「リタを呼ぶべきでしょうか」
聞くも小さく拒絶をするように頭を振る。
「この魔道器は、誰にも見せたくない」
何故・・・言葉にならなかった疑問に苦しげな呼吸の中レイヴンさんは笑みを作り
「俺の我儘だ」
「我儘だなんて・・・」
それで命を落とす事になってもいいのだろうかと思うも彼は苦しみの中微笑んでいる。
「大した意味はないが、今となっては大将の形見だ。誰にも触らせたくない」
10年も罪を知りつつ寄り添っていた二人の危険な絆はその以前は純粋な何かがあったのだろうかと邪推して自己嫌悪。
そうでなくては10年も共犯者として側に居るなんて真似が出来ないだろうと激しく殴られたようなショックの中、レイヴンさんは僕の腕の中で弱い輝きを放つ心臓魔道器を抱きしめるようにうずくまっている。
「レイヴンさん・・・」
荒い呼吸を繰り返す彼はいつしか意識を失うように眠っていた。
汗ばむ額に手を伸ばせば、先ほどよりほんの少し温かな体温を感じる。
一晩休めばなんて事無い・・・
そうは言ったものの、こんな風にいつも次に目が覚めるか判らないような孤独の中彼は一人耐えていたのかと思うとぞっとした。
僕にはとてもじゃないけど耐えれない。けど・・・抱きしめる心臓魔道器が無言のまま彼をはげましているようにも見えた。

腕の中のレイヴンさんの呼吸が落ち着く頃トントンとドアをノックする音が聞えた。
「フレンいるか?」
呼びかけと同時に入ってきたユーリに視線を投げれば驚いた顔が入り口でこれ以上入って良いのか、閉めた方がいいのか、良いに決まってるよなとどこか躊躇っていた。
そんな驚いた顔を見るのは久しぶりだなと苦笑紛れにそっとベットを離れて廊下に出てレイヴンさんの事を報告する。
「あのおっさんはいつになったら俺達を信用してくれるんだ」
開口一番可能な限りの小さな声で文句を言ったユーリは物凄く怒っている形相だった。
但しそれはレイヴンさんに対してではなく気付けなかったユーリ本人に対しての物だろう。
「リタを呼んでくる」
そう言って踵を返したユーリの手を掴めば振り向いた顔が睨んできた。
「レイヴンさんに断わられてしまった・・・」
捨てきれない想いと言うような拒絶に唇を噛み締めて、本来僕の口から言うべきでは無い言葉と理解しつつも悔しい心は届かぬ苦しい思いと共にユーリにぶちまけてしまう。
「僕は・・・レイヴンさんをシュヴァーン隊長を慰める事も出来ないのだろうか」
握り締めた拳をユーリの胸元に叩きつけてずるずると崩れ落ちる体を壁に預ければ、ユーリが同じように隣に座る。
そして僕の肩を抱き寄せて
「それは俺もおなじだっつーの」
くしゃくしゃと宥めるように髪をかき回されても、その手を払いのけるだけの気分は今の僕にはなかった。

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