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地元の中型スーパーの5周年のくじ引きでwi○を当てて即行で売りに行きましたそんな週末でも頭の中は素晴らしく悶え死にそうなパニックに陥っていました。
それにしてもおっさんの話はありえないほどのフェイントの予感です。
なので準備運動としてありえない事を考えて大概の事に対して驚かないように訓練をしておきたいです。

イエガーが騎士団所属だったとか
デュークが騎士団所属だったとか
実は腹違いの兄弟だったとか
おかっぱだったとか
20代のアレクセイの若さとか

駄目だ・・・どれも私の中じゃ受けいられてる(笑)


おっさん総受ワンダーランド。
苦手な方は見る前に逃げて!







あれからすぐに谷底の探索となった俺とラピードとジュディの三人とは別にフレンがエステル達を連れて一度ダングレストへと戻った。森の出口で待っていてくれたバウルに乗り込み瞬く間にダングレストへと辿り着いた。
ありったけのグミと言った回復薬を購入し、顔なじみのカロルがユニオンに居るハリーにも連絡を取ってくれた。
ただ、ダングレスト周辺まで魔物が押し寄せていた為に人員は割けられないと、ハリーが一人だけユニオン代表としてフレン達と戻ってきた。
もっとたくさんの人が居ればと思うも、まだ何処か荒れているこのケーブ・モックでは被害者を出すだけだろうとハリーの言葉に唇を噛む。
ほんの突き出した岩場を足場にラピードが落下とも言うようなスピードで下りて行ったのはフレン達が出て行ってすぐだった。
俺としてはすぐに駆けつけたいところだったが、ジュディが冷静な声で
「ユーリより私の方が身軽だから、あなたはここでエステル達が戻ってくるまでここで待っていてくれるかしら?」
お願いねと言うように可愛く小首をかしげる言葉に
「いや、ジュディにこの崖を・・・」
「ユーリ」
言葉の先を俺の名を呼んでぴしゃりと叩き落とす。
崖の下に視線を落としながら
「あなた今自分がどんな酷い顔しているか知っていて?」
ジュディの細い指先が目元をなぞる。
綺麗に整えられた爪、その露出でも陽に焼けた事のないような白い肌。
だけどなぞる指先は長旅と戦いでガサガサとしていて、細くしなやかな指先は仕種でごまかされている物の良く見れば戦う事を知っているといった薄く残る傷痕がいくつも刻み込まれていた。
槍を扱う手の平は俺の手と変わらないくらい訓練の名残がある。
俺よりも何倍も外の世界を知っている彼女がバウル以外初めて得た仲間が崖の下に消えて行ったのを俺と同様なくらい動揺しているのは当然の事。
だけど彼女は俺以上に気丈に振る舞い、己を律し、この事故が起きてからずっとその紫水晶の瞳は冷静さを保っていた。
「大丈夫。みんなが戻ってくるまでにおじさまを見つけておくわ」
ニッコリと微笑む彼女がとても年下には思えなかった。
少し逡巡する間にここからでも朝陽を望む事が出来、崖の下まで明るくなったのを二人で見れば
「じゃあ、先に行って来るわ。みんなをちゃんと案内してね」
そういってラピードが残した足跡を追うように、僅かな足場を飛び降りながら、あっという間に崖下へと消えて行った。
一人残された俺はただみんなが戻ってくるまでの間魔物から隠れるように大きな倒木の影に隠れるように座り込んでいた。
何も出来ずに居る時間がこんなにも苦しいとは知らず、嫌な事ばかりが頭をよぎる。
息を潜め、静寂と喪失をこらえるようにどれぐらいの時が経っただろうか。
上空から聞える後方に虚ろとした視線を上げる。
大きな魚にも似た巨体がこの崖のギリギリ側まで迫っていた。
危うげな着地を次々と眺めていれば、エステルが俺の存在に気付いて駆け寄って着てくれた。
「ユーリ、大丈夫でしたか?」
ふわふわとしたスカートの裾をはためかせながら駆け寄って汚れるのも気にせず膝をつき回復魔法の詠唱を始めた。
「ジュディは?」
きょろきょろと周囲を見回しながら近くに寄って来たリタに
「ラピードと一緒に先に崖の下に降りてる」
レイヴンか落ちた場所へと視線を投げれば、そこにはハリーが一人立っていた。
「ここから落ちたのか」
唖然としたような力のない声が風に乗って届いた。
説明は受けていただろうが驚きは隠せないと行った声に思わず眉間が狭まる。
エアルに影響されやすい体。
後方援護を得意とするからと言って、今のケーブモックの状況の中で最後尾にしてはいけない相手だった。
疲れて思考が鈍くなり、つい・・・何時ものように背中を預けれる相手に甘えてしまった結果がこれだ。
立ち上がり遠い崖下を覗きながら唇を噛んだ。

それからユーリの生活は一変した。
ギルドと言ってもメンバーはジュディスとカロル、ラピードの正規メンバーは常に行動の統一性がない。
生まれた土地も違うし、やりたい事もばらばらだ。
カロルに会いたければ拠点にしているダングレストへと向えばいい。バウルと一緒のジュディを捕まえるのは難しい物の、ハルルに住むエステルに一言伝えておけばいつも約束は守られていた。
そして俺も帝都の下町、もしくはフレンからの伝言で連絡がつく。
自由気ままな凛々の明星が売りだったが、今はダングレストに住みついていた。
あのレイヴンが崖からの転落の後俺達は現実を止められないでいた。
いくら探せどレイヴンが見つからないのだ。
ジュディス曰く崖の途中までは幾つかの血痕の後を見たという。
それなのに、落下予測地点をいくら探せど、おっさんの姿は見つからず、それ所か嫌な想像だが落下の跡すらないのだ。
挙句の果てに途中からおっさんの匂いが消えてるとラピードは言う。
ひょっとして魔物に餌と間違われて攫われたのかと誰ともなく考えていたものの、真っ先に匂いを辿って崖を下って行ったラピードがそんなミスをするとはとても思えない。
「ちくしょっ、一体何処行きやがった」
何か知っていそうな木に拳を叩きつけても物言わぬ相手はただわさわさを梢を揺らしただけだった。

あれから10日。
さすがにエステルやフレンは仕事もあって帝都に戻って行ったものの、時折ジュディが手紙を預かってくれていた。
リタも気にしながらもさすがにアスピオ改めタルカロンの現状をいつまでも放置できないともどって行ってしまった。
カロルも既に入っている依頼こなしてから手伝うよと言ってくれるものの、有名な倉庫マスターの称号に引っ張りだこで、何処かにまた借り出されているという。
ユニオンの方でも森が落ち着いてから相当な人数を貸し出してくれたが、さすがに10日ともなると誰もかもが諦めの旗を掲げていて、一人また一人と足が遠のき始めていた。
ハリーがせめてもとユニオンのおっさんの部屋を使えと行ってくれたが、生活感はなくてもそこにはおっさんの匂いが染み付いていて、いつか死んだようにピクリとも動かなく眠っていたベットに潜り込んで大丈夫だと自分を慰めていた。
何も言わないものの、一人ケーブ・モックでレイヴンを探す俺を悲しそうに見詰めているジュディの言いたい事もわかる。
だけど諦めたら本当に駄目になりそうで、止めずに一人森を彷徨っていた。
更に10日が過ぎて、
「おい、帝都じゃどう言っている?」
今日も何の手がかりもなくダングレストへと戻れば、入り口の橋の所でハリーが一人待ち構えていた。
腕を組んで橋の欄干に凭れていたハリーの隣に並ぶように、流れ行く川の水面を覘いていれば
「立場が立場だからな。今はまだフレンの一存で伏せてあるらしいが、一月以上となると色々支障が出て来るらしい」
そもそもダングレストに潜入捜査と言う名目の仕事をしていたシュヴァーンは月単位で城を留守する事はざらだったという。
だが、それを命じた主は既に居らず、それ所か新しい主には大層大切にされていて城に滞在する時間も前の零にも等しい事を考えれば何十倍にもなったという。
「ダングレストの方は?」
一応あれでも天を射る矢のナンバー2でユニオンの幹部だ。
葬式とか色々あるだろうと、既にダングレストでは広く知れ渡っているレイヴンの失踪についてどういう意見を持っているかと逆に訊ねれば
「こっちでも一月を目安にしようと言っている」
不本意だというように顔をそらせての言葉に、それがけじめと言う事を知る。
いつまでもたった一人の人物に時間を割いてる暇は無いほど今の世の中の流れは激変している。
ハリーはそういって沈み込みそうな溜息を一つ零し
「レイヴンの部屋は今までどおりいつでもお前が使っても構わない。
 だけどな・・・いや、いい。
 体を大切にしろよ」
そのままダングレストの雑踏へと足を向ければ、何処からか現れた護衛が合流して去って行く後姿を見詰める。
騎士団もギルドもこの一月を区切りにこの現実を受け入れようとしていた。
そして、今ではなくても何時かは俺も受け入れなければならないのかと悪あがきのような言葉で自分に尋ねながら意味もなく能天気に笑うあの笑みでこの不安を吹き飛ばして欲しかった。 

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