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あれだね。
まとめて投稿ってここに書く話題があっというまにつきちゃうのね・・・
って、これ前にも書かなかった?!
何かデジャブを感じるんだけどwww
何年たっても成長しなくてすみません。






俺の好きになった相手は手強い相手だ。
いくら好きだ、愛してると本気で言っても
「はいはい。青年の事好きよ~愛してるわよ~」
窓の外を通り過ぎていく女の子をまぶしげに見送りながら平気でそういう事を言うのだ。

だから強引に押し倒してベットに縫い付けてみても・・・
「ぐっ・・・」
「ふっ、青年もまだまだ甘いわね」
突然下腹部に襲った激痛にもんどりうって体を丸める。
「ヤロー・・・」
「どの道今日は無理ね」
同じ男なのにこう言う事が平気で出来るほどおっさんは強敵だった。

でもおっさんの良い所はあんなに強引にせまったからって俺を嫌う事も軽蔑する事なく、食事に誘えばこうやって酒にだって付き合ってくれる。
相手にされてないと言えばそれまでなのだが、ルブラン達や、天を射る矢の連中を見ていればそこそこ格別な扱いをされてると己惚れている。
そんなわけで久しぶりに仕事のない体でおっさんを飲みに誘った。
今日はちょっと良さ気な雰囲気のレストランでもなくおっさん好みの居酒屋でもなく。酒とつまみを持って海の見える小高い丘のハルルの巨木にも似た花を咲かせるもっと小規模の群生している場所に連れて来た。
歩いて来る合間にすっかり夜になってしまったが季節はそれほど寒くはなく、焚き火を焚くより月明りとランプの輝きだけでも十分だった。

「おや、これは良い所だわね」
「だろ?ハルルの木にも似ててさ。みんなにはないしょな」

ジュディスもカロルにも言ってないのだからといえば、唯一秘密を共有しているラピードは鼻を一つスンと鳴らし、何処かへと行ってしまった。

「ワンコどしたの?」
「あれはあれで気を使ってくれてるのさ」
「えー、また青年にセクハラされるの?」
「おっさんが落ちるまでな」

笑って言いながら酒瓶を渡す。
コップなんて気の利いた物までは持ってこなかったから一口飲んでは回し飲みして、最近の近状なり騎士団の様子やらユニオンの裏話などをつらつらと話す。
持って来た干し肉を齧りながらいずれ陽が昇るだろう海を見下ろしながら朝を迎えれば良いとか頭の片隅でぼんやりと考えていれば

くしゅん

潮風が気持ちよいと思ってたつもりだったがおっさんにはちょっと寒かったようだ。

「すぐ毛布用意するな」

あとはやっぱり焚き火を焚こう。
青年悪いねと言って毛布を受け取った手に触れれば冷水に浸けていたように冷え切った指先だった。

「おい、おっさん体調悪かったのか?」

慌ててその手を両手で包んで擦り合わせて温める。

「調子は悪くないつもりだったんだけど・・・」

小声で最近忙しかったせいかしらなんてとぼけたような声で白状した。
眉間を寄せて俺より一回り小さな体を後ろから抱きしめるようにして温める。

「青年、おっさんは男と密着しても楽しくないんだけど」
「自分の顔色見てから言えよ。それに俺は十分楽しいから問題ない」
「えー?」
「それよりもだ。おっさんちゃんと食ってるか?なんか一回り小さくなってる気がする」

後ろから伸ばした手でおっさんの腕を擦れば

「そういや最近移動が多かったからね。あまり十分な食事が出来てなかったかも」

言った後でしまったというようにびくりと肩が震えた。
くそっ、最近の事情をちゃんと把握してればこんな所まで来ずに適当に宿で飯でも食べていればと後悔が募るも、でもねとおっさんは言分けをするように言葉を繋げる。

「青年がなんか楽しそうな顔をしてたから、きっと何か楽しい事が待ってるんだろうなって思ったらからね・・・」

ごにょごにょと語尾が萎んで行くも、少しだけ照れたように

「青年がおっさんの為にまた何かしてくれるんだろうって思ったらなんだかこう・・・ここがほわって暖かいのよ」

服の上から突付いても硬質な金属音のする左胸を目を閉じて包み込むように手を重ねる。
ああ、くそっ!
何でこんな時に抱く事も出来なければ押し倒す事も出来ないんだよ!
そのまま衝動に駆り出されたい所をなけなしの理性で留める。
その代り強く抱きしめて首筋に顔を埋め

「こんな場所でよければいくらでも探してやるぜ」

大人になったな俺。
何とか勝ち取った理性で夜が明けるまでおっさんを温めるという言分を理由に抱きしめていた。


+++++

今回はユーリの勝ち

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