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ボツネタとか、途中で飽きた物とか。
続かないそんな物・・・




静かに眠れ



名前には色々な意味があり、それと同じぐらいの願いと思いがある。
例えばだ。目の前に居るこの男。
胡散臭さが服を着て歩いているような男、レイヴン。
彼には家名はなく、ただのレイヴンと名乗っている。
実際彼の本拠地のダングレストでは誰もがレイヴン以外の名前を知らなかった。
尤もそんな深い過去を無闇に穿り返そう何て思う人間はこのダングレストにはいない。
と言うよりギルドに身を置く人間は誰もが一つは触れられたくない過去を抱えて生きている。
レイヴンがレイヴンと名乗る以上、それ以上の意味はなくそれ以下なんて何処にもない。
それがだ。
夕日にも似た橙を基調とした騎士団の隊服に身を包み、長い間使わた傷付きくすんだ色は仕立てられた時は眩い輝きを持っていた事すら想像を憚るもの。癖の無い何処か灰味がかった髪は顔の半分を隠すようにさらりとゆれ、朗々と語る口調は落ち着いた大人の口調。
そんな人物がダングレストの中心でもあるユニオン本部で進められた席で行儀良く座り、出された茶を音も立てずにゆったりと飲んでいた。
この部屋の新しい主となったハリーは大きく広げた足に手を乗せ耐えるように正面から対峙し、彼をここに連れてくるようにと依頼を請け負った俺達凛々の明星もハリーの声を大にして言いたい事が良く判るというようにカロル先生なんか居心地悪くトイレを我慢している子供のように落ち着きがない。
同様にレイヴンを見知っていて彼のもう一つの姿が目の前の男と同一である事を知る数少ない天を射る矢の面々も珍獣でも見るような視線と言うか、不気味な存在を見る目でレイヴンのもう一つの姿を眺めていた。
「・・・と言う理由からこの案件に詳しい私に団長の代わりに派遣していただいたというわけだが・・・ご気分でも優れませぬかハリー殿」
おっさん、今のわざとだろ・・・
カロルもジュディも揃って顔をそらして噴出しそうな口元を隠せば
「いい加減にしろレイヴンっ!!!」
ハリーがキレた。
うん。その気持ちよくわかるよ。何てカロルの呟きが聞こえたけど軽く無視をした。
さむぼろでも出たというように両腕をさすりながら立ち上がり書類を並べる手を止めておっさんは無表情で彼を見上げていた。
「レイヴンじゃなくって、今はシュヴァーンだって。帝国騎士団の隊長主席のシュヴァーン・オルトレイン。
 いい加減に慣れてくれないとこっちもまいるわ」
「んなの慣れるかっつーの」
盛大に頷く天を射る矢のメンバーの援護を受けての反論にシュヴァーンの顔でレイブンのような不満顔を露にする。
お互い不満を隠さない顔で見合っているも
「まあいいわ、それよりもさっき読んだ事に納得できたらサインちょうだい」
結界がなくなった世界に結界の中に閉じこもっていた人々は結界がないならどこに居ても一緒だと結界の外に出る事を躊躇わなくなった。
定期的に護衛をつけた馬車を走らせ人々の足の確保、そして街と街をつなげる道路を作る協力の要請。魔道器を失った船の航路の確定、港の建設など協力してなさなければならない事は山ほどある。
既にフレンは城で決済やら協議会のたぶん意味不明な言葉の羅列に目を回しているんだろうが、それを放り出してでもおっさんがユニオンでサインを求めるのはもはや効率を求める以外何者でもない。
実際ジュディスにバウルで運んでいる合い間も山のような書類に埋もれてさっきまで目の前で繰り広げられた契約書を作成していた。
今もバウルのカーゴの室内ではおっさんが散らかした書類が床一面に散らかっていて、今の会議で見せた自称隊長主席の大人ぶった姿からは想像もつかない。
大量の書類をレイヴンを中心に囲むように置きばらばらと捲っては何かを書き、読んだ書類は適当に置いたまま別の書類に手をつける。
それの繰り返しで予想通りあの書類は何処だ?さっきここにあったと思ったのにと関係ない所を捲ってはあっという間にもみくちゃになり
「おいおい、おっさん大丈夫か?」
「うーん、いつもならおっさんの副官が手伝ってくれてこんな散らかる事無いんだけどね」
「何て苛酷な労働・・・」
思わずと言うようにつぶやいたカロルの一言におっさんを含めて頷けばわふっとラピードの欠伸がこぼれた。
「まあ、書類は帰ってから副官にやらせればいいから取りあえず失くさない様に注意して頂戴」
できたと最後に書いていた書類にポンポンと判子を押して乾くように息を吹きつけていた。
元がおっさんだからしょうがないとは言え、この姿にはやっぱりギャップに耐え切れなく、最近になって知った彼のもう一つの姿に力いっぱいハリーに同情せざるをえないでいた。

*****************
タイトルから言って何を書きたかったのか今になってもさっぱりと判らん。
まあいい・・・

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